勤怠管理システムの更新は何のため?

いやあ、前回のブログにも書いたのですが、勤怠管理システムの更新をされる企業が増えています。

シンプルに書くと、出勤簿・タイムカードから、タブレットやPCで出退勤ができて、残業・有休の申請もできるというものへの移行。給与計算ソフトへも勤怠データを少しの手間で落とせるので、給与計算がラクになる、と。

で、新規の企業様からのお問い合せ
「どの勤怠管理システムが良いのでしょうか?商品名を教えて欲しいのですが?」
メールフォーム経由の、典型的なお問い合せです。

質問させていただきました。
●新・勤怠管理システムは、何を目的に導入されるのでしょうか?
●現時点での、費用・時間・手間はどれほどでしょうか?
●ご予算は?拠点数・事業所数は?

人事労務・総務のご担当者様からの連絡が多いのですが、「現時点での費用・時間・手間」を計測したことがない、「目的は省力化であって」と返ってくることが多いのです。

つまり、勤怠管理システムを更新することが目的になってしまっているように感じます。

設定自体も、給与計算の実態・賃金規程の規定と合わないまま、行ってしまうのでしょうか。規程の担当と、給与計算そのものの担当と、勤怠管理システムの担当が同一のケースは少なく、実際はバラバラです。

「給与計算システムは、入れ替えない」
「就業規則・賃金規程の見直しは考えていない」
そういう反応を見ると、少し残念です。
見直しの良い機会ですのに…。

毎度のことですが、ご予算の面、そして全面的なシステムの入れ替えは考えていない、そもそも担当が違う、と。

会計システムを含む更新なら、顧問税理士さんにも相談した方が良い。
顧問社会保険労務士さんがいるなら、そちらにも相談した方が良い。

せっかく勤怠管理システムの更新をするのであれば、周辺の制度も見直しできますよ。もったいない…。


●平成30年3月11日(日)追記
ある会社様の勤怠管理システムの更新の理由が分かりました。タイムカードでガッチャンから、PCでの管理に変えたい・変える最大の理由、それはタイムカードの保管問題でした。

社員数100名を超える企業様なので、毎月毎年たまってくるタイムカードの保管スペースを減らしたいのが、最大の目的でした。給与の締め切り日を過ぎると、全事業所からタイムカードが一斉に送付されて、本社で給与計算。保管は全て本社の倉庫代わりに使っている部屋です。

なるほど!

ちなみに、過去のタイムカード20年分近く有り、今回法定保存年限の3年を過ぎた分は全て焼却処分(溶解?)にしたそうです。労働基準法では3年かも知れませんが、給与計算の間違い・年末調整のやり直しを考えると、5年程度は保存しておいた方が良かったのではないでしょうか。

a:593 t:1 y:0